編集部

【働き方改革】働き方の選択・多様化、ニューノーマル、今の時代働き方 presents by at Will Work

at Will Workという団体をご存知だろうか。
多様な働き方をひろめるために社会活動している5人がいる。
5人はそれぞれ会社の代表やビジネスプランナーを務めており、複数の企業の役員としても精力的に活動している。

彼らの活動を知ってすぐにアポを取ったところ快くインタビューを引き受けてくれた。at Will Work(以下aWWとも表記する)について、aWWの現在地、aWWが見る未来、aWWの今後について聞いてみた。

インタビュー対応をしてくれたのは共に理事の猪熊真理子氏、日比谷尚武氏(以下敬称略)です。

  • aWWとは
  • 現在地
  • 働き方の未来
  • 今後

多様な働き方ができる社会を実現したい

チ:猪熊さん、日比谷さんよろしくお願いします。

猪・日:よろしくお願いします。

チ:早速ですが、at Will Workについてと設立した経緯について教えてください。

猪:aWWは藤本と松林(共に代表理事)の働き方に対する社会課題を解決したいという想いから社団を立ち上げることになりました。藤本は元Googleで、女性の復職に関する推進プロジェクトを経験したことがあり、働き方に対して課題感も持っていました。5年前は、まだ働き方改革も始まったばかりという時期で、働き方に関する様々な課題がありました。フルタイムで働けないとキャリア形成が難しいとか、復職できてもマミートラックに載せられてしまうのではないかとか。そこで、知人同士でもあった松林と藤本がaWWを立ち上げる経緯となりました。私は当時ストリートスマートの取締役(現顧問)をしていたことから松林に誘われまして、2016年に社団が立ち上がりました。

チ:日比谷さんはいつ入られて、どんなことをしているんですか。

日:私は元々Sansanにいて広報・マーケティングを中心とした業務や官公庁との対応をしていました。ただ、他にもやりたいことが多かったので、スタートアップの支援やNPO運営などに関わったりしていたので、それなりにたくさんの方と知り合うことがあり、元々猪熊とは知り合いだったんです。

猪:aWWのカンファレンスの協賛の協力を相談しに行ったときに日比谷さんが参画することになったんですよね。

日:そうそう。12月に退社して、次のステップを考えているタイミングだったんで、よい機会かなと思って即了承したんですよね。

猪:aWWを立ち上げから数ヶ月後の2017年2月に最初のカンファレンスを企画していました。とても期間が短い中で、初めての企画なので協賛や登壇者を集めることも、運営を設計するのも大変でしたね。日比谷に声をかけた時は、まだ全然決まってなかったんですよ。

日:最初話を聞いたときは、「計画通りに諸々決まってるから大丈夫だよ」と聞いていたのに、いざ参画してみたら登壇者や協賛が全然決まってなくてね。

猪:あー、そうでしたね(笑)。

日:軽くダマされましたねww。「早く言ってよー」って。すこし補足すると、2016年は国が働き方改革を推進しようとしていたタイミングでして。Sansanは当時会社のビジョンに「働き方を革新する」を掲げていたこともあり、企業ブランディングの一環としてどう世の中の流れに沿って発信するか検討していたので、猪熊さんたちの活動には興味を持っていたんです。

猪:私たちはそれぞれ会社経営とか複数の事業に参画している中でたくさんの方とお会いする機会はありますけど、立ち上げたばかりの会社の信用性は全くありませんでしたから1年目は本当に大変でした。

チ:それで、カンファレンスはどうなったんですか。

猪:各方面からの応援やサポートいただいたメンバーのおかげもあって、なんとかすべて予定通りにいきました。その後のaWWの活動は、

  • 年1回の働き方に関するカンファレンスの企画実施。(社会に対しての問題定義、面白い働き方をしている企業や事例を世に届けるために実施)
  • 年1回ワークストーリーアワードの表彰(企業から応募)
  • パートナーというコミュニティーの運営や小規模の有識者イベント。
  • 事例の創出、実施、社会実装研究。
  • カンファレンスやアワードで発掘した働き方の事例や企業の発信。

といったところですね。詳しくはホームページをご覧ください

https://www.atwill.work/

チ:猪熊さん、日比谷さんそれぞれの活動を教えてください。

猪:私は元々心理学専攻で、まだまだ女性が活躍できる社会になるためには課題が多く、また女性たちに自信がない人が多かったことから女性支援を行なっていました。女性活躍は2013年くらいから政府の成長戦略として推進されるようになって、リクルートにいながら複業としてコンサル業等をしていたんですが、2014年から独立して起業しました。ただ、一概に女性活躍推進や働き方と言いつつも、女性だけでなく男性の働き方にも課題はあるんです。年齢や性別によって課題は違うけれど、自分にあった働き方ができるように働き方の選択肢を作ることができるのではないかと、そういう働き方をする人が増えて欲しいという想いもありましたね。

日:そういえば、at Will Workってどんな由来?

猪:最初は社名全然決まらなくて。働き方選択協会?とかあったかな。

日・チ:堅っ!ww

猪:顧問の小口さんにアドバイスをいただき、日本だけでなく世界の他の国の働き方に目を向けてみたんです。例えばアメリカでは自らが会社と交渉できる環境が多くて、良くも悪くも働き方に選択肢が多い部分があります。アメリカでは随意雇用のことを「at will employment」といって、雇用契約は雇用者・被用者のどちらからでも・いつでも・いかなる理由でも・理由がなくても自由に解約できるという原則のことを言うんです。自由もあるけれど個人の責任やリスクも大きいのですよね。ですが、このat will employmentと言う言葉から着想を得て、随意雇用のことではなくて、個人も企業も「will(意志)」を持って働けるような社会になったらいいよね。という想いから社名が決まりましたね。

チ:そういう由来だったんですね。

チ:それぞれ拠点はどちらなんですか。

猪:私は九州で松林が関西。ただ東京にも拠点はあるから他拠点で活動してますね。

日:私と藤本さんは東京ですね。ただ、東京の中でも拠点が複数ありますよ。

猪:他拠点活動は以前からしていましたし、aWWはそれこそ最初のカンファレンスまで5人が集まっての顔合わせはなかったね。

日:元々そういう働き方ですからね。だからコロナだからって苦労は感じませんでした。

チ:多様な働き方で逆に苦労は?

猪:多様な働き方ができると、大体のことはフレキシブルに対応できるし働きやすいのですが、妊娠・出産と仕事の両立の時にはコントロールが難しい場合がありました。生身の人間ですから、どんなに今が元気でも未来の体調を読むことはできませんから。例えば大事な会議があったとしても、会社で何かあったときに駆けつけるとかいつものように行けます、とは言い切れないですね。コロナ禍でオンラインの打ち合わせがほとんどだったので、私の場合は両立しやすかったのですが、それでも妊娠・出産と仕事の両立って難しいのだなぁと身を持って体験しました。

日:株主や経営陣の意見もあるだろうから、簡単にはいかないよね。でもそういう状況でもいいよ、ってなったら逆に好印象だと思うけど。

チ:それぞれメインの仕事はどんなことしているんですか。

猪:それぞれはこんな感じです。

  • 松林 (株)ストリートスマート代表取締役
  • 藤本 Plug and Play Japan(株)執行役員CMO
  • 安達 外資系日本法人カントリーマネージャー
  • 日比谷 kipples代表 / 一社Public Meets Innovation理事
  • 猪熊 (株)OMOYA代表取締役

日:それぞれ得意なことが違うし任せられるから、一緒に同じ場所にいる必要は特にないですね。aWWでのそれぞれの役割はこんな感じです。

  • 松林 営業やクライアント対応 財務戦略
  • 藤本 コンセプター、コンテンツ企画、登壇者のアサイン
  • 安達 営業やクライアント対応
  • 日比谷 広報、行政対応、人を巻き込む、登壇者のアサイン
  • 猪熊 事業推進 業務設計、プロジェクトマネジメント

チ:すごいチームだ・・・

パラレルワークやリモートワークは結果的になった働き方

猪:目指していたわけではないですね。やりたいことや実現したいことをやっていったら、やりたいことが増えてきて、周りに人が増えてきて、結果パラレルやリモートになりました。

日:私もやりたいことをやっているだけです。つながった人たちとまた繋がって、いろんなところでプロジェクトが作られていく。aWWのメンバーはそれぞれプロジェクトマネージャーとかプロジェクトリーダーをできるので、自発的に動くことができるのも特徴ですね。そういえばaWW以前に猪熊さんとコワーキングスペースで会いましたよね。

猪:あったあった。だからまず、リモートができるできないとか考えるのではなく、何がしたいのかどんなことができるのかを考えてみるといいと思います。あと、一概にパラレルワークって向き不向きがあると思うんです。

チ:それはどんなところです?

猪:私で例えるなら、幼少期習い事をたくさんしていたとか。

日:私も転職を数回していますけど、同じ内容での転職はなかったな。3・4年でやりたいことが変わる。何かに夢中になっているうちに、他に興味が湧いてくるんです。一流のプロには慣れないけど、チャレンジすることに抵抗はない。どんなことも3年くらいやればそれなりにできるしたくさんできるのが魅力。

猪:どんなことに情熱を持ってるかってことですね。それと、複業もどんなことをするかによって、今の会社を辞めてでも注力する必要があるかとか変わりますよ。すぐにマネタイズできそうになければ、生活が厳しくなりますからね。もちろんマネタイズできる見込みや勢いがあるのであれば独立はありですね。スピードがちがう。

チ:踏み出す一歩ですね。

猪:正直リモートワークやパラレルワークって欲張りに思ってしまう方もいると思うのですが、そんなことはないと思います。個人としては働き方をカスタマイズできるし、自分の能力を最大限発揮できる可能性がある。企業にとっても効率を最大化できたり、人材の成長につながる部分があると思うので、すべてではないけれどコロナ禍は働き方を再確認できる時間を与えてくれたのだと思っています。

働き方の未来、もっと選択できる働き方

チ:これまでの活動と今後aWWが見たい景色はどんなことですか。

猪:ミッションにもあるように、ノウハウの蓄積・体系化を共有して「働きやすい社会づくり」を作ることです。労働人口の減少、ライフスタイルの多様化、テクノロジーの進化などに伴い、働き方のありかたが問われてきています。多くの企業・人・団体が理想的な働き方を模索し、実現にむけて様々な取り組みも始まっていますが、依然課題は多いのが現状ですね。

日:世の中がここまで働き方改革に興味を持つと思わなかったです。国が大々的に発信する前に設立したこともあり、当初は行政や政治の現場でも企業でも、働き方改革なんてまだまだ浸透していなかった。それが、ブラック残業問題やコロナウイルスなどが発生したことで働き方改革的には追い風になった。我々以外にも「働き方」について言及し、発信する方もたくさん登場し、共にはたらきかけたことで波及効果があったと思っている。だからメッセージを発信し続けてこそムーブメントは起きたと思っているし良かったと思っている。

猪:余談だけど、パラレルワークは難しいと思われがちだけど、やりたいと思うのであればまず動いてみることだと思います。もちろんやりたくないこと、できないことまで手を広げろ、ってことではなくて。自分のできること、好きなこと、得意なこと、やりたいこと、そこは人によって考え方が違うと思うけど、まずは今の会社に勤めながら、土日にイベントとかカンファレンスとか何か参加してみるところから企画するようになるかもしれないし、動いていくことでたくさんの知り合いも増えれば声もかけてもらえるようになってくる。よくないのは、言われるがままの作業となってしまって、自ら動かないことかな。

日:私もそう思います。まず自ら動くこと、そうすれば何か変わってきますよ。副業禁止とか、ブラックすぎて他に時間を取ることができないとか、今の職場を辞めて、という退路を断つことも仕方ない場合もありますけどね。

チ:最後に教えてください。aWWは今後どうなるのですか。5年の活動期限があって、今年が最終年ですが。

日:明確には決まっていないんですよ。5年で終わるのか、形を変えて発信していくのか。ただ一番いけないのは、同じことをだらだら続けるってことで、それはないかな。

猪:もちろん続けないの?続けて、との声もあるし、まだまだ働き方の多様化推進は必要ではあるけれど、弱風をずっと続けていてもそこに私たちの価値はないと思っています。5年間集中して強風を起こしたい、起こしてきたつもりです。実際にニューノーマルという言葉も生まれて形はこれからも変化していくし、社内改革や社内制度も変わっていくと思うのでなんらかの発信はしていくと思います。

日:カンファレンスは5回終了したけれど、アワードが12月に残っているので、それまでには決断する予定です。

チ:貴重なお時間とご教授ありがとうございました。