編集部

【地域活性化コラム】「空き家バンク」「シャッター商店街」は本当に困っているのか

過疎化や地方衰退によってできた空き家を、国や地方自治体がまとめたもの。
「空き家バンク」は自治体ごとに空き家をデータベースに登録していて、
国土交通省が中心となって全国を統合している。

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いや待てよ。
実際に「空き家バンク」を作ったことでの効果はあるのか。
ここでどんどん疑問が浮かんでくる。
空いている不動産を借りたい人・買いたい人に対するサービスは、
すでに地域の不動産会社や、
昨今はネットを駆使して大手企業も行っている。
わざわざ行政が予算をかけて作ったデータベースを保持する必要はあるのか。
データを集めるばかりで実際にはほとんど動いていない。
迅速かつ手厚いサービスがある民間サービスを使ったほうが、
ウィンウィンになるのではないだろうか。


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しかしちょっと調べてみたところ問題はそこではないようだ。
国土交通省が実施した「空家実態調査」において、
空き家と言われる不動産の所有者たちが、
「貸さなくても別に困っていない」という状況なのではないだろうか。
それこそ、空き家にしておくオーナーの4割近い理由に
「特に困っていないから」と実際に回答している。
また、
4割以上のオーナーは「物置として活用する」とか、
3割以上のオーナーは「将来使うかもしれない」とも回答されている。

要するに、貸したり、売ったりなんて行為を
わざわざ時間をかけてまで借り手や買い手を探す必要がない。
いや、探してない。
築年数が重なり数十年前ほど高額でもなくなった固定資産税を払う程度のお金にも困っていない。
空き家問題の真相はここにあった。

大した物件もなければ、マッチングに力を注ぐ職員もいない。
全国の自治体の「空き家バンク」をみれば一目瞭然。
問い合わせがあるまで待っているだけ。


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これと同じ構造なのが、いわゆる「シャッター商店街」。
地方の一時代を賑わせた商店街は今やそう呼ばれているところが少なくない。
人口が減り、商売が行き届かなくなり、シャッターが閉まってしまった。
そんな商店街不動産オーナーは少ない。

戦後の高度成長期に、物資があれば何でも売れて大儲けした時代があった。
その資金ををビル、アパート、マンション等に投資をして、一財を成した人が多くいる。

今の商売が儲からなくても、子どもや孫は都市で自立し、
貯蓄や不動産収入などで「死ぬまでカネには困らない」オーナーは少なくない。

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今でも商店街中心部の空き店舗に補助金を入れて、
市民や学生活動の拠点やらチャレンジショップなどに変える、
「空き店舗への家賃補助金制度」なるものがいまだに全国に数多く存在する。
このような家賃補助は一見、
市民活動をしている人や、学生、これから商売を始める人を支援しているように見えるが、
不動産所有者からすれば特に何も感じていないし、
実際には生活に困ってもいないわけだ。

不動産屋さんが今まで相手にしなかったような空き家や空き店舗を活用して、
まちおこしの概念だけでなく、移住促進といった取り組みをするベンチャー企業も増えてきている。
従来の不動産オーナーや不動産会社では考えられなかったことを、
ベンチャー企業が全国各地で展開している。


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民間は着々と事業を進め、行政はもう少し民間と向き合うべきである。
行政にしかできないこと、民間にしかできないことと向き合うべきである。

ものがあるから買う時代は終わった。
空いているから入るのではない。
人と人が向き合って話し合い、
価値を創造し、価値を与えることで
まちにができ、新たな価値が生まれる。